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再読のきっかけ  柔道部物語、石川淳

○柔道部物語
4・29『DREAM.2』、三度目の正直でついに決着がついた、“『やれんのか!』vs『HERO’S』頂上決戦”であるところの青木真也×JZカルバン戦。この試合の前後近辺のインタビューで、青木真也がしきりに『柔道部物語』(小林まこと)ネタを連発していました。

カルバンのリッパすぎる極太マユゲが『柔道部物語』の主人公・三五十五を連想させることから端を発して、カルバンを三五十五呼ばわりし、「ザス、サイ、サ!」、「俺ってストロングだぜぇ~」等のタームが記事中に踊っていた(「ストロング~」はkamiproの誘導アリ)。それをみていたらフツフツと10年ぶりくらいに読みたくなり、ウチの本棚を漁ってみましたが『柔道部物語』は何故か5巻までしか見当たらない。仕方ないから5巻までを読みましたが、やっぱり相当面白い(試合パートと、日々の部活動、練習パートが同じくらい面白いマンガはそうそうない)。
しかし、西野が出てくるよりまえに途切れてしまい、次が読みたくて悶々とする。改めて家の中を探しなおしてみるがやっぱり見つけられなくて、以来、6巻以降をもとめて地道に近隣の数々の書店、古本屋近くを通るたびに覗いてみましたが、文庫版はあったけどヤンマガKCスペシャル版が見つけられない(文庫版を買う気はない)。ネットで本は一切買わないと決めているためネット発注という手はないので、そっち系の古本屋が充実している街に足をのばすしかないようだけどなかなか時間がとれない‥。
そういえば当時というか90年代、『柔道部物語』信奉者で漫画家志望の友人Yさんが、『帯をギュッとね!』(河合克敏)や『そばっかす!』(きくち正太)なんかをその都度『柔道部物語』と比較していちいち批判していたことを思い出した。僕がその頃唯一毎週買ってまで読んでいた少年漫画誌が『週刊少年チャンピオン』だったこともあり、『そばっかす!』について特によく語った気がする。
でその、じつにチャンピヨン臭の強かったきくち正太のマンガ(『おせん』)がまさか、テレビドラマの原作として採用され、毎週ゴールデンに放映される日が来るとは思わなかったな‥としみじみ。

○石川淳
ブログの記事を書くさいは、関連した直接的な資料にあたるほかに、書くとっかかりのヒントになりそうな書物・雑誌のバックナンバー等をパラパラめくって再読する、というのが通常の自分の手続きになっています。

前々記事『Girl's Box/ラバーズ☆ハイ』の場合は、〈アイドル映画=少女映画〉ということで、引用もした中森明夫『アイドルにっぽん』のほか、『Quick Japan』『STUDIO VOICE』等のアイドル特集号、澁澤達彦、森茉莉、四谷シモン関連本などをなんとなく読み返していましたが、金井美恵子『添寝の悪夢 午睡の夢』に少女についての章があったのを思い出して開いてみると、〈少女〉という巻頭ちかくの短いエッセイで、石川淳の短編『喜寿童女』について言及されているのを見て、『喜寿童女』を再読。その流れで、久しぶりに『石川淳全集』(筑摩書房版)をポツポツと再読しはじめています。石川淳の文章は旧字・旧仮名じゃないとどうも感じが出ないので、簡便な文庫版ではなく不便だけど全集か単行本での再読ということになる。

そういえば、音楽家にして文筆家である、菊地成孔のエッセイ集『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール 世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間』のなかで、〈石川淳の凄絶なピカレスク小説『はんかい』(←ケータイでは字が出ん)〉という一節があり、ハテ石川淳にそんな小説あったっけ?と『石川淳全集』をひっくり返したのが前回、数年前のプチ石川淳再読週間の発端でした。

結局、『はんかい』なる小説は存在せず、菊地成孔の虚言であることが判明した。『歌舞伎町のミッドナイト~』内の別の一編に〈ドミニク・ノーゲスの『レーニン・ダダ』っていう、これまたもの凄いインテリが嘘を平然と書いて、全く説明がないという本にインスパイアを受けた〉という記述があり、そういうスタンスが、菊地氏のケムに巻く性質とフィットしての虚言の表出だった。ということに、一応落ち着く。ひとつの嘘を確かめるのに結構な手間がかかって、いい迷惑だ。

石川淳というと、短編をベストに挙げるのが通、という雰囲気がありますが、自分が最も愛する石川淳の小説は未完の長編『蛇の歌』。後期の長編小説群、『狂風記』やら『六道遊行』やら『天門』やらには、ちっともピンと来ないというよりむしろ退屈してしまうのに、これらの長編群と大した違いのない『蛇の歌』には何故かいつもドキドキしてしまう。たぶん、石川淳の小説がどうのという以前に、“未完”であることに魅惑されているだけなのかもしれません(大岡昇平だと『堺港攘夷始末』が一番好き)。
どういう方向にも集約していかないとあらかじめ判明している『蛇の歌』の、シンプルで不思議な世界に一歩一歩入ってゆく感覚は、夜、眠りにつくまえの読書にぴったりで、文章の静かで心地良い語りに誘われるように、次第に微睡んでゆく。その未定の、無方向を予感させる語りが、夢にむかう感覚とディゾルヴするようにして、誘眠剤がわりになるのでした。

これもまた、凄くどうでもいい話を思い出しましたが、小学校高学年のとき、掘留くんと合作でマンガを大量に書いていて、それをいちおう製本して学級文庫として教室のうしろのスペースに置いていたことがありました。そのうちの『泥棒物語』『太平洋戦争』『江戸時代末期』などのマンガ群は、殺人が無機質に延々と連鎖するだけのおはなしだったのでしたが、のちに高校生になってから石川淳の『無明』を読んだとき、こりゃ僕たちが書いていたマンガそのまんまじゃん!とビビった。(その頃なんで『無明』なんか読んだかというと、『小説新潮』か何かの〈好きな短編小説ベスト3〉とかいうアンケートで、『ゼウスガーデン衰亡史』で正直絶頂期だったころの小林恭二が『無明』を1位に挙げていたから。)
思い出してばかりいるとキリがないのでもうやめます。

theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

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樊噲(はんかい)

はじめまして。
「石川淳」「天門」でたどり着きました。

石川淳作品を愛好するわたしも「天門」は扱いに困る小説です。

日記を拝読して「はんかい」とは上田秋成の『春雨物語』に収められた短編小説「樊噲(はんかい)」のことではないか、と思いました。
石川淳は「秋成私論」という文章で、「樊噲」を高く評価しています。

それと、私も小林まことが大好きです。
『柔道部物語』は傑作です。

nosubjectさん

御教示及び丁寧なコメント、ありがとうございます。
実は書いて約一週間後に石川淳全集17巻〈古典新釈〉の巻に『新釈春雨物語』中の『はんかい』につきあたり、しまったと思いました。古典には疎く、石川淳全集もこれまで普通に小説ばかり(1~10巻)読んでいたので〈古典新釈〉はノーマークでした。一読成程ピカレスク小説かと思いましたがこれが「石川淳の小説」といえるかどうかは難しいですね。
しかしシマッタ誤ったと思っても何の反応もないな~と寂しく感じていたので有り難く思います。
『秋成私論』はこれから読ませていただきます。
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