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4姉妹探偵団など

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『4姉妹探偵団』


冬ドラからサブカルっぽさを感じた、という話のつづきです。

(冬ドラマの一連の話題では、宮台真司・東浩紀・宇野常寛の文章・ターム等を、ある程度引用・参照にして話を進めていますが、微妙に合致しない三者の思想の、どれかを称揚するとかしないとかは目的ではなくて、ただ単に状況をみるツールとして便利だから使っている、という点を御了承願いたいと思います。)


さて、ポストモダンの時代、各種ジャンルでは他ジャンルと同様のサブカル化が進行する。しかしそれを単に時代の流行の一種として、マーケティングの材料としてしかみていない、そのような対処もやはり、テレビドラマを襲うサブカル化の波による(最も低次元な)影響といえます。

マスメディアとしての地上波テレビ放映。慣習的(?)制度としての連ドラ。その前提にじゅうぶん意識的でない送り手は、前述のように作品の洗練化に指向が向かう。

ある特定のターゲットに絞った作品形成は、〈共有する記憶〉をアテにして、省略とデフォルメを反復し、〈島宇宙〉内をバリエーション豊かな世界にしてゆくとともに、他の島宇宙との断絶がひろがってゆくという構造があります。

このようなサブカル化の波への対処の、意識的な洗練化が計られたのが『鹿男あをによし』『未来講師めぐる』『栞と紙魚子の怪奇事件簿』『腐女子デカ』『コスプレ幽霊 紅蓮女』あたりで、逆に、時代の要請による必然が無意識的な(ある種の)洗練としてあらわれているのが『正しい王子のつくり方』『1ポンドの福音』『一瞬の風になれ』など、そして『チョコミミ』です。
「ある特定の嗜好を肯定し(肯定され)同時にその素を供給する(供給される)、自己愛的な閉じたシステム」という意味ではどちらもおなじものとも言えますが、前者にサブカル臭があって後者にないのは、前者が、絶えず自分の立ち位置を“意識的に”確認しつづけることによって成立する態度であるからで、そこにかすかな鬱屈が滲む。後者は、ただ現状の自分でいれば肯定されるのを待っていればいい、という無意識的立場をとる。そんななか、『4姉妹探偵団』も一見、いかにも後者に分類されそうですが、どこか微妙にちがっています。

『赤川次郎ミステリー 4姉妹探偵団』は、企画としては、アイドル的女優を集めてソッチ方面のターゲットを狙う、島宇宙化邁進を歓迎するような企画なのかもしれませんが、夏帆・中越典子・加藤夏希・市川由衣という布陣は、現在テレビ的にキテルとは言い難い弱さがあります。唯一、夏帆のみが上昇株ですが、長所である(?)存在感の輪郭の曖昧さが、作品の印象を茫洋としたものと化すという作用があって、フックあるキャッチーさが必要な地上波のテレビドラマでは、苦戦を強いられる要因にもなります。

『4姉妹探偵団』における、そのような一見マイナスに見える要素と、ミステリとしての粗雑さ、現実的/マイペース/うっかり/しっかり者といったザックリした書き割りで描かれる姉妹たち、といった要素からみれば、このドラマに相当にヒドい気持ちをもちそうなものだけれど、不思議とそうは感じませんでした。
『探偵学園Q』にはあった、特定の嗜好におもねるような“なんちゃってミステリ”な感触(つまり、神木くんや志田さんや山田くんについてアーダコーダ言ったりワーギャー言うためのパッケージに過ぎない、という元気だが空虚な感触)が『4姉妹探偵団』にないのは、テレビ朝日が周囲の視線を気にするふうもなく、華のない刑事ドラマや素人探偵モノやらを(連ドラから単発ドラマまで)千年一日淡々と絶え間なく制作しつづけているという背景があるからで、『4姉妹探偵団』の地味な感触に、マーケティングからくる性欲的なざわざわした感じがなく、あくまでテレ朝的ミステリードラマ群の延長線上にある手触りがあって、その華のない地道さを纏う佇まいが、好感となって結実する。多人数姉妹モノでありながら、各姉妹のキャラクター描写が(データベース的な)オタク的ツボをちっとも突いていなくて、いまいちキャラ萌えすることが出来ないアナログぶりも、好感度が大だ。

そもそも赤川次郎原作のお話を、チャチだの粗雑だの責めるのは、分かりきったことを安心して言う脳軟化的な言説に過ぎません。毎回、ユル~い物語(事件の捜査)が地味~に進行してゆき、ようやく終盤、犯人捕獲が為され、夏帆が「かい・けつ」と呟くように宣言する発声が響くと、心に爽やかな風が吹きわたるような開放感が生じる。
その、かすかなカタルシスを得るまでに、こじんまりとした華なき50分を耐えるのは、習慣になると、案外たのしいものです。

『4姉妹探偵団』については、空前絶後の低視聴率ぶりばかりが話題になり、その要因としてのマイナス点さがしが横行しそうだし、逆に擁護派は誰かのファン‥‥そんな無益な消費の仕方をされそうなので、ふんいき支持派みたいな話の進め方になってしまいましたが、まあ、ごくふつうの、現れては消えてゆくようなドラマだと普通に認識しています。

(つづく)

theme : 4姉妹探偵団
genre : テレビ・ラジオ

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