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『るにん』、奥田瑛二

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『るにん』
(2004製作、2005公開)
企画・監督・出演:奥田瑛二
出演:松坂慶子、西島千博、小沢まゆ、麻里也、根津甚八

冒頭、
切り立った断崖絶壁、
わずかに草が生えた急斜面の荒れた地表に、
海からの風が強い豪音をたてて吹きつけ、
そこを歩む罪人らしき者と、
処刑人らしき者らが登ってゆく。

印象的な、〈ぶっころがし〉のシーン。

史実とは若干ちがうようですが、
竹で編んだ丸いおおきな籠に罪人が入れられ、
海の臨む高い高い絶壁から、
突き落とされ、
出っ張った崖や斜面に時折衝突しつつ、
海へと落下してゆく、
その凄い音!!
ビョウビョウいっている風の音と相まって、
リアルな生/死を感じさせる。

かつて流刑島だった八丈島を舞台に、
史上唯一〈島抜け〉に成功した男女の実話を基にした大作です。

監督は、『少女』につづいて2作目になる奥田瑛二。
『少女』は、映画青年の永年の夢、
念願かなったささやかな喜びに満たされているような、
可愛い映画でした。

というか、

なんか好きなんです、奥田瑛二。
ソッチ系の意味はありませんが。
どう好きかというと、
ほっとけない感じですか。スキが多いというか。

よってこの『るにん』も、
基本的には無条件に支持したいとおもいますし、

ビデオやDVDでこの映画の良さが再現出来るのか少し不安ですが、
ソフト化されたあかつきには、
なるべく多くのかたに観てもらいたい気持ちがあります。

あと、
あともう少し、
メジャーな海外の映画祭で賞を得ていれば、
ハクがついてご老人批評家にも安心してウケて、
末永く観られつづける
〈日本映画の名作〉に成り得たのに。
(調子がいいときの黒木和雄くらいの価値はじゅうぶんあると思います。って誉めてないか。って言ったら黒木和雄に失礼ですね。)

隅々まで力の、魂のこもった、
〈エモーションの器〉としての〈映画〉作品として、
誠実に、丁寧に作られていて、
それぞれのキャラクターも物語のコマではなく、
躰には血が流れ、
嘆き悲しむ魂をもち、
狂気に逃げず日々に向き合う〈まなざし〉を有する。

そんな人々が、
漠然とした自分だけの、自分の頭のなかだけの抽象的な〈自由〉でなく、
誰か、近くにいる他者の希求する〈自由〉を得るため、
行動する。

それが〈物語〉となる。

単に〈島抜け〉してバンザイ、という話でなく、
その気持ちの部分がたいせつだという話、なんだと思います。

文句があるとすると、
全部丁寧に力がこもっているから、
緩急が弱く、
作り手が掴んで欲しいと思っているポイントがあるとしたら、
それが明確に見えずに、
観るひとに流されてしまうかもしれません。
分かり易い見所、泣かせ所の欠如。
なんか、少し、長い。
と思われてしまう恐れも。。

それがまたシャイなところのある、
奥田瑛二の、
品のぃいところなのかもしれません。

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theme : 邦画
genre : 映画

あと1日

20060330233317

この馴染み深いビルが

〈新宿マイシティ〉

という名であるのも

あと丸1日だけだな~‥

theme : 雑記
genre : 日記

PRIDEわっしょい!!

20060330180308
『kamipro Special PRIDEわっしょい!!』
を買い、読みました。

『紙プロ』編集だから、
独自なものを期待しましたが、
意外とフツーの出来。

オフィシャル/公式ファンブック的な柔らかさというかんじ。
DSE全面バックアップ、協力体制て作られたから、
あまり暴走も出来なかったんでしょうか。

マリオ・スペーヒーが、イズマイウと仲違いしたころのエピソードは、
知らなかったので面白かった。
BTTにイズマイウだけは絶対入れたくなかったという話と、
ホイスVSイズマイウの裏事情。

やや紙プロらしいのは、
二丁目方面へ矢を放っているのか、
巻頭から、
ホドリゴとホジェリオのノゲイラ兄弟のフンドシ姿のネットリとした絡み?の特写(特に三角絞めの写真がキツい‥)、なかなかのインパクトです。
続けて、レイザーラモンHGと、ハードゲイコスチュームに身を包んだ桜庭和志の対談と、
妙にゲイ押し。。

これでは嗜好/ターゲットが偏りすぎていて、
売り上げに不安があるということなのか、

高島彩アナウンサー
のインタビュー等でバランスがとられているのですが、
これが意外とおもしろく、
アリスター・オーフレイムのトレードマークのハンマーについて、
たいして盛り上がりもしないのに懲りずに持ってくるところが空気が読めてない、とか、
立場的に言ってはいけないような発言が良かったとおもいます。

theme : 雑誌(既刊~新創刊)
genre : 本・雑誌

『チャーリーとチョコレート工場』

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『チャーリーとチョコレート工場』

監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ
   フレディ・ハイモア
   デヴィッド・ケリー
   ヘレナ・ボム=カーター
   クリストファー・リー
 

参りました!!

おもしろくて、
おかしくて、
かなしくて、
涙が出た。

一秒たりとも退屈なシーンはなく、
ワンカットたりとも無駄だとかんじた場面はありませんでした。

正直、あまり期待していなかったんで驚きました!

かつて大好きだったティム・バートンの映画、

『ビートルジュース』『シザーハンズ』も大好きだったし、
『バットマン リターンズ』は90年代アメリカ映画を代表する傑作だと、
いまでも思っています。

しかし、
『エド・ウッド』『マーズ・アタック!』『スリーピー・ホロウ』『猿の惑星』『ビッグ・フィッシュ』‥。

どんどん小器用になってクオリティは上がる一方、

バランスを破壊してでもぶつけずにはいられなかった、
怨念!!
パッション!!
のボルテージは下がってゆく、
どころか見えなくなってゆく。。
面白いけど、熱狂することはなく、
ふーん、と次の興味へ向かってゆく自分を感じていました。

で、この題材、
無意味を目指した映像の垂れ流しを
予想していたのですが‥

出会った時期も良かったのだとはおもうけど、

すべて的確!!
キャラクターの強調も、
ズラしたギャグのタイミングも、
ズラしてないギャグのタイミングも、
サスペンスのメリハリも、
シーザー武志みたいな顔の小人のセレクトも、
美術から色使いからなにから、
楽しく、おもしろく、
そして、
ラスト、
原作にないエピソードで幕を閉じる。
ああ、
やっぱり、
最近のテーマである、
〈父との和解〉なんだ、
と知る、
頑なで、誤解をとけず、接し方がわからず、不確かな存在の父、
その父が今、
ほんのすこしの幸せを手にした自分に、
初めて、
ほんとうの姿、等身大の、慈しむべき存在にみえた。

破壊衝動の持続よりも大切なものを感じたとき、
それが、
自分を(自分の作家性を)支持し続けてきたファンをガッカリさせることになろうとも、
いま、ほんとうに感じている感情を描く。

今、感じていないダークサイドの怨念を、
ルーティンで量産するより、
ずっと誠実。
だとおもった。


theme : 洋画
genre : 映画

筒井康隆『銀齢の果て』

筒井康隆『銀齢の果て』

を読みました!

話は、
老人版『バトル・ロワイヤル』で、
人口・社会問題解消のため、
町内のご老人たちを殺し合わせるというもの。

えー、面白いといえば
面白いといえなくもないんですが‥。

筒井康隆だから!!
それだけじゃ!!

とおもう。

中学生くらいから、
大人向けの本を読み始めるころに出逢う
筒井康隆や、
星新一といった名前は、
神話的存在。

大人の世界でありながら、

大人の世界も、
面白いことがつまっていることを
教えてくれた存在。

その仰ぎ見る存在が、

(まあ、別に面白いんじゃない?)

くらいの長編小説を出しているのが、
寂しく感じさせます。

老年期は、
ボケて、
何書いてあるんだかよく分からないもの。
そういう変なものが
ひねり出てくるのが理想かとおもう。。
筒井康隆のばあいは、特に。

ラストも、

元ネタの元祖『バトル・ロワイヤル』のほうが
よっぽどひねってあった、

パロディのほうがストレートなんてなー。

『残像に口紅を』や『朝のガスパール』
とかからのステップアップが、
『敵』とか『銀齢の果て』じゃ、
スケールダウンしてるうえに、
わかりやすすぎる。

もっとヘンナモノが読みたかったなー。

theme : 読んだ本。
genre : 本・雑誌

パラパラながめる

20060328134211
‥ここのところ体調が悪く、

なかなか更新ができません。。

まとまったもの書く気が起きない。。

一週間くらいずっと、
頭痛と下痢になやまされ、
ついにダウンしています。

テレビ録画したものも、

バラエティーしかみれない感じ。。

そういえばご贔屓の
『落下女』も終わってしまうし‥

あまり頭つかわなくていい雑誌とか、
パラパラ読んでやり過ごしています。。
今みているのは
『フォトテクニック別冊  デジタルフォトテクニック#003』。

しばらくまえ
古本屋さんで買ったもの。

デジカメ、
持ってないので何の関係もないから、
気楽に眺められますね。

時々、
普段買っていないような雑誌を、
古本屋さんや
街頭の浮浪者から
買うのが好きです。

theme : 雑記
genre : 日記

*1:天童一心の映画

(天童一心版『タッチ』註:天童一心監督の映画について)

その1
天童一心監督の映画がどうも苦手で、
世評高く、代表作でもあろう
『ジョゼと虎と魚たち』も『メゾン・ド・ヒミコ』も、評価出来ない理由は、
強いて言えば、
マイノリティを生半可に理解しているつもりになっていること。といって悪ければ、つもりになっているように自分には見える、ということ。

『ジョゼ』、池脇千鶴くらい綺麗なら、身体障害など障害のうちに入らない!!と真面目に思う。
ブスだったりデブだったり、頭頂部が薄かったり体毛が濃かったり何かが臭かったりする女の子のほうがよっぽど恵まれていないと思う。女性として、異性にこんなふうに愛されたい、という想いがあっても、池脇千鶴以上にそれが困難で、でもそれでもスネ坊にならずに、色々対処してなんとか頑張って生きているひとはいくらでもいると思う。あれは単なる甘ったれであって、そして、障害者としてあのひねくれ方はリアリティがないと感じましたし、あの厳しい現実のような〈リアル〉を示しているかのようなラスト、あの位のシビアさでは〈現実〉には触れえない、ホメ易い所を上手に散りばめてあるだけだという印象を持ちました。

『メゾン・ド・ヒミコ』はファンタジーだと感じた。
柴崎コウにとって、もしくはオダギリジョー萌えに都合が良いお話に、ゲイが幻想を抱く小道具としてちょうどよく収まっている。
ここでのマイノリティたる〈ゲイ〉という記号も、もってうまれた美貌や少なくないお金、生涯の友人たちとともに立派な住む場所もあって、どんな逆境だというのか。物語展開上、悩んだり苦境に陥ったりするが、有閑マダムの愚痴のようにバカバカしい。

天童一心監督の登場人物は、
一事が万事こんな感じ。
ゲイも老人もオールドミスも障害者も、
他人のうらやむものをもともと有している。
本当の厳しくつらいことなど知らず、
箱庭で人生を演じている。

その意味では、
家族や隣人の愛情に恵まれ、選ばれた才能を有する男女のドラマである『タッチ』は適材適所、天童一心監督にぴったりの題材とも言えるかもしれない。

小林善美さんによる、
天童監督の『死に花』についての評を引用します。

〈いい気なもんだとしかいいようがない〉〈あんな高そうな老人ホームに入ってて、何が銀行襲撃だ、ふざけんな!真面目に働いてる人に対して恥ずかしいと思わないの?〉

その2
天童監督は、少女マンガのスピリットやテイストを映画に移植しうる、最良の旗手のように目されていますが、
その意味では岩井俊二監督とキャラがかぶっているのか、どうか。

何の裏付けもないんですが、
天童監督のほうは、
大島弓子とか竹宮恵子とか萩尾望都とか、名作ばっかり読んできた印象で、本来的な資質というよりは戦略的/意識的に少女マンガを取り入れてやっているふう。

それに対して岩井俊二監督は、ほんとうに、魂から少女マンガが好きで、
名作だから読む、
ではなく、総体として好きで、ずっと実は『りぼん』読んできて『週刊マーガレット』や『別冊フレンド』にうつってまたずっと読み続けて、でも恥ずかしいからそれはあまり表に出さないできたけど、ついつい隠している少女マンガ好きが出てしまう。
そんな印象。
そんな対比。

theme : 映画監督
genre : 映画

天童一心版『タッチ』

new-tuch.jpg

はたして、

『タッチ』の物語やキャラクターを知らないで、
この映画を観る日本人っているのでしょうか?

『NANA』の原作知らずに映画を観たひとも
意外といるようですから、案外存在するのかも。

天童一心監督の映画は、
正直、肌にあわないというか、
『二人が喋ってる。』以外まったく好きになれません。
ファンのかたには申し訳ないんですが。
また長くなるので(*1)として別項たてて先に進みます。

冒頭、三人が誕生し、幼年期から今に至るまでが、長澤まさみ演じる南のモノローグ(=視点)で語られる。
まるで大昔の大林映画のよう。
オオバヤシっているってことは、これがアイドル映画であることの宣言なのでしょうか。

もともと『タッチ』は、長澤=南の視点で進行する物語であるわけではないのですから、その固定された視点で以後話は展開してゆくのでしょうか。
結論をいえば、そうはなっていなくて、
単なる群像劇のように、あっちにふらふらこっちにふらふら、定まらない。
すべてを客観的にとらえて描いているかといえばそうでもなく、
ラストで突然達也のモノローグになったりする。
キスをめぐる、南と二人の兄弟の駆け引きも、
力点が置かれている場所が曖昧だから、
印象に鮮烈に残されていいはずの南と達也のキスシーンも、
緊張感も新鮮味もなく、ただひとつのエピソードを消化しただけ、という感じ。
安藤尋監督の『blue』あたりとは大違いです。

いったい、この映画、何が目指されているのでしょうか?

和也の死後、野球をふたたび始めた達也の球を、
部員の誰も受けようとしないのに業を煮やした長澤まさみ、
キャッチャーマスクをかぶり、ミットをもつ、
わたしがやります、と。

アイドル映画なんだ、やっぱり、とおもう。

長澤まさみ主演のアイドル映画。

それ以外に、この映画を救う見方はなかった。
その視点からゆけば、序盤、体育の授業でダンスを踊るシーンが、
ほぼ唯一の見せ場といえると思います。
しかし、
率直に、直球で言って、
『タッチ』における長澤まさみの魅力の輝きは、
ドラマ、映画、CM等ふくめて、過去最低のものだと思います。
話の展開上か、底の浅い葛藤しかもたない人物像では、輝きようがないのでしょうか。
何かが起こっている、というくらい、輝きがくすんでいる。

なぜこんなことになっているのでしょう。。

ひとつには、あまりに悲惨な細部の描写にあるかと思います。

先程の南キャッチャー化のエピソードの直後、
共同の勉強部屋で、さまざまな物をキャッキャいって投げあうじゃれあい、
く、くだらない‥。
ギャグとして以外にとりようがありませんが
ギャグでもないようです。。

クライマックス、都大会決勝、
達也の試合をみないと決めていた南だが、
ラジオ中継で達也が肩から落ちて怪我を負ったのを知ると、
我慢しきれず、決意し、球場へむかって走りだすのへ、
主題歌がかかる、呼吸をとめて一秒~、と。
ダサ!!!!
走る長澤まさみ、試合の経過してゆく様子、南風でテレビに見入るひとびと、走る長澤まさみ、といったカットバックが、緊張感のないふつうの画の積み重ねで、感動を盛り上げ?る‥
ダ、ダサ!!!!
大詰め、最期のVS新田、
1ストライクからの2球目、和也と達也、ふたりがダブって投げる、和也の得意な高速スライダー決まると、
新田のハッとした顔のアップ、
(おまえ‥)とでもいいたげなコータローのアップ、
バカらしいつなぎ。
2ストライクからの3球目、周囲の音が消える(!)、皆の顔、顔、顔、ときてコータローのアップから、キャメラゆっくり下がってミットに収まっている白球を映し出す(!)。

こんな調子で物語は幕を閉じてしまいます。
例えば、同じ原作者の『H2』のドラマ版と比べて、
1ミリでも、
優れた点がどこかにあったでしょうか‥

theme : 邦画
genre : 映画

『kamipro』No.97

20060326114524
プロレスや格闘技を扱う雑誌です。
興味ないひとはとことん興味ない分野ですが、
この業界の雑誌がトコトン、軒並み、低迷していっているなか、
唯一好調な雑誌といえるでしょう。

かつて、『紙のプロレス』、
本当はあまり好きじゃありませんでした。

やはり、マット界をとことん斜めから見るような、
確信犯的なすたんすが鼻につく部分があって、
もっぱら『ゴング格闘技』を購読していました。

『ゴン格』は、内容が専門的なのも良いし、
とにかく白っぽいレイアウト、字体・文字組みが気持ちよくて、
買い続けていたのですが、
あるとき、

(『ゴン格』、買ったはいいけど、
実はあまり読んでいないな。
それに比べて、『紙プロ』は何回もの立ち読みで、
結局すみからすみまで読んでいるな。)
と気付いて、それからは正直に『紙プロ』に移行していきました。

吉田豪の離散についてとか、
DSEの子会社化とか、
いろいろ言われる要素のある『紙プロ』ですが、
やっぱり面白いですね、相対的に。

今号でのウリはPRIDE無差別級GPの特集でしょうが、
連続登場中だった所英男がひさしぶりに載っていないので、
売り上げにどう響くでしょうか。

興味深かったのは、
格闘技専門誌の小特集。
『UPPER』『格闘伝説』の休刊、『ゴング格闘技』の休刊騒動に、プロレス週刊誌の低迷。
活字媒体が好きだから、なんとか踏ん張ってもらいたいとはおもう。

新日本を離れたケロちゃん(田中秀和)の『紙プロ』登場は新鮮でした。

theme : 雑誌(既刊~新創刊)
genre : 本・雑誌

『寝ずの番』、マキノの名を継ぐ

20060326005411
ついにマキノの名を継ぐ男・マキノ雅彦監督作品が4月8日に公開!!

津川雅彦がいつか、いつか映画を撮るとは思っていたが、
堂々と!!
マキノ姓を名乗って登場とは。
並々ならぬ自信を感じさせます。

『寝ずの番』の存在自体はかなりまえから知ってはいましたが、ようやく公開にたどり着き、都内2館公開とかじゃなくて良かったと“マキノ”雅彦監督のために祝福したいと思います。
そもそも“雅”の字がついているだけでも、うらやましいというか、それだけでも選ばれし者だとおもう。
製作時、スタッフが発表され、監督の名の、

〈マキノ・雅・彦〉

という字面をみたとき、みただけで興奮した。
かつて、『ヴァイブレータ』の製作発表で、スタッフが

監督・廣木隆一
脚本・荒井晴彦

の初コンビと知ったときのような興奮。
とはすこし違って、
壮大な歴史が、
いまなお、
新しく刻まれているのを、
目の前にする、興奮。

theme : 日本映画
genre : 映画

水道橋博士『博士の異常な健康』

20060325233616

買いましたよ、水道橋博士の『博士の異常な健康』!!

さっそく読みましたよ、『博士の異常な健康』!!

第1章の「髪の毛が生える秘訣、これでいいのだ!」!!

熟読しました!!こんなに熟読したのはいつ以来だろうかというくらい熟読しましたよ!!

10の文字から、100文字ぶんの情報を読みとろうとするごとく。

浅草キッドの本は、『お笑い男の星座』ワン、ツーとか、楽しく読ませていただいていますが、これは‥‥

‥なにしろそろそろ、自分的に深刻になってきた話題ですので、
真剣にならざるを得ません。
『SPA!』でも、ネットで育毛の話題といえば浅草キッドの水道橋博士、
という記事も出てましたし、
先達のお話に真摯に耳を傾けました。

この本は、
浅草キッドの水道橋博士が自ら体で体験した様々な健康法が、
例の文体で〈面白おかしく〉紹介されている、
いわば体を張ったルポルタージュです。

育毛、ダイエットといった代表的なものから、
あまり耳慣れない恐ろしげなものまで。

ハウツー本とか、そういった類いの本は、
興味をそそられても、
名も知らぬ著者がどこまで真面目に書いているのか、
金儲けのためにテキトーなことを書いているのではないか。
と疑心暗鬼になり、
なかなか手がないものですから、
その人格に信頼を寄せている水道橋博士が書いたとなればと、
興味をもって読ませていただきました。

theme :
genre : 本・雑誌

『マグマのごとく』フルモーション②

BBBJ-5119.jpg

亀井亨監督によるシリーズ1作目、2作目を
パッと眺めたとき、
まず、やるな、とかいいな、
と思わせる力というか吸引力となっているのは、

水元ゆうな
黒沢愛

というキャスティングです。

シリーズが進むのちには、ピンク映画系の有力女優さんたちも中心となっていきますが、
ここでシリーズのスタートを飾る看板女優に、AV女優さんとして知らない者なきビッグネームを連続でもってくる。

メジャー感のアップもさることながら、
人選がうまい、と思います。

例えば、
早坂ひとみに代表されるように、
文句なく整っていて、可愛いけど、
実際鑑賞してみるとあんまりエロくなくて不満が残るような女優さんが一方にいて、
あるいは、
ジャケットや宣材写真は可愛いかったり綺麗だったりするけれど、
実際の映像ではそうでもない(だまされた系)、
エロいけどルックスが今一歩(淫乱系、というか淫乱系にしかポジションがないというか)、
すべて好みだが、プレイが熱心じゃない系、
などがひしめきあうということになり、
なかなか理想的な女優さんを探すことは難しい。
それでも昔に比べてずいぶんルックスもプレイもクオリティが上がってきているのですが、
その“遊び”のなさがまた、
かえってAV特有のクサクサした即物的な荒涼を感じさせてしまう。
難しいところです。

いっしょくたにするのもなんですが、
1、2作のヒロインを競演した水元ゆうなと黒沢愛は、
飛び抜けて綺麗だとか、
ジャケットや宣材ではえるタイプではなく、
実際に動いて、声を発して、躰を露わにしていくにつれて、
輝きを増してゆく、
柔らかい感触を瞳におぼえる、〈女=優〉であり、
画面を、荒涼とした即物的な貧しさではなく、
豊かな感情で満たすことの出来る性質をもっている、と思います。

緑がかったフィルターの映像のトーンと、
雨や湯船の大量のお湯は、
観るひとに水分の偏在を感じさせ、
黒沢愛のけだるい豊満さは、
あたたかいなみなみとした水に覆われているかのように柔らかく、
しっとりしてみえる。

トラウマのある処女の奥さんのおっかなびっくりなお話だった前作は静かな印象のお話だったが、フルモーションレーベル2作目の『マグマのごとく』では、軽快な音楽とともに、黒沢愛が物憂げながらも能天気なところがあるので、一転して明るい印象になっています。

若くして銭湯の後継ぎと結婚した女。
露出度の高い格好で番台にすわり、
隙の多そうな仕草は男女問わず周りの性的な関心をあつめている。
彼女は、湯船のなかでしか夫に性交を許さない。
二人は湯船でしかしたことはないのだ。
夫は、
自分への愛ではなく銭湯だからウチに嫁に来たのではないかと疑っている。雨に濡れるのも好む妻の仕草を反復するように真似して雨にうたれるが、妻との嗜好の断絶を意識化・表面化させたに過ぎなかった夫は、(水の)なにがいいのか分からないと叫ぶ。

潰れかけた、閑散とした銭湯の高い天井に、黒沢愛のハスキーボイスはことさら響きは、ささやき声のようなプライベートな前戯を連想させ、

〈ほかにも関わりをもつ登場人物がいるとはいえ、
ほぼ全編夫婦ふたりだけの印象、
こもった、
ささやくような、
黒沢愛の声が耳に響きつづける、
日常のように、
静かに、
愛ゆえの、
譲歩。〉

上記の〈〉内は、前作『クエスチョン』について書いたものをそのまま、固有名詞だけかえて、引っ張ってきたものです。
亀井亨監督が同じ歌を歌っていることは、明白だと思います。

しかし、陰鬱なムードから、希望ヘと向かって譲歩しあい、歩み寄っていった『クエスチョン』のカップルとは逆に、表面上明るく軽やかに、最後まで軽口をたたきあっていた『マグマのごとく』のふたりは、ついに線が交わることなく断絶してゆくことになる。

風呂場ではもうしない、と夫に宣言された、
湯の中でしかできない妻は、
湯船の際で、他の男や女の情欲の視線にさらされることでしか、
生き延びることができない。

ここに前作『クエスチョン』の水元ゆうなとその夫のカップルが銭湯の客として登場し、奇妙な提案を黒沢愛に持ちかける。
結ばれたあとも問題を抱えているらしいふたりの後日談を、
今作を観るひとは見守ることになります。

本編のもっとも良いシーンは、この水元ゆうなと黒沢愛との微妙な視線の交差が淫靡な緊迫感をうむカットバックのシーン。それに、後半の夫ならざる者との情事に陥る黒沢愛の性交シーンではなく、序盤の、やわらかいあたたかさに満ちた、浴場の体洗い場で夫が黒沢愛の乳を後ろから洗い、揉むシーン。情欲よりは親密さを、黒沢愛の乳房の柔らかさに込めるようにして描かれた、ヤラしくもあり、ヤラしくなくもある、良いシーンだと思いました。

惜しいのは、話が充分展開しきらないこと。
関係が変容した、そのあとの、
ふかく深く悩み、
傷つき傷つけ、
さて、どうするのか。
というジャンプが欲しかった、と思います。
ムードに流れたため、幾分軽くなってしまったという印象。

これにて、ともかくも亀井亨監督の2本は終了。
まずは安定した画面づくり、センスとエロとハート、フルモーションのとりあえずの基本スタイルをバランスよく創りあげました。

さて、第3作『ウォーターメロン』からは、
今プチブレイク中の本田隆一監督登板です。
(第4作『脱皮ワイフ』!!)
静かな亀井監督の世界を、
本田隆一はどう破壊/変容するのか。
黒沢愛も再登場!

亀井亨監督はその後、
『派遣秘書』(2004)、『楽園 流されて』、『霊祝』、『心中エレジー』、『憑依』(以上2005)と、精力的に活躍中。『心中エレジー』でその名を知ったかたも多いのでは?

(『ウォーターメロン』の項に続きます。)

theme : 日本映画
genre : 映画

『アメリカン・パイinバンド合宿』

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◎『アメリカン・パイinバンド合宿』


アメリカ青春コメディの傑作シリーズ!

いや、もうすこし時が過ぎれば、

〈名作シリーズ〉と呼ばれているであろう

(『すてきな片想い』くらいのポジションかな?)、

その〈アメリカン・パイ〉シリーズがかつて3作で完結しました。

3部作の邦題は、
『アメリカン・パイ』、
『アメリカン・サマー・ストーリー』、
『アメリカン・パイ3/ウエディング大作戦』。

この手のヌルめの映画にありがちな当たり外れがなく、

シリーズ作すべてが面白い。という奇跡的な金字塔。

出てもトクしない、キャリアの足しにならないような、

世間的にも映画的にも一段低く見られるジャンルの

映画のシリーズに

(従来のパターンだと一作ごとにごっそり出演メンバーがぬけ、結果全

く関係ないような映画が『2』、『3』と銘打って製作される)、

シリーズ通して脱落者もほぼなく、

違和感なく物語が大団円を迎えました。

よくは知りませんが、なにか、

すべてが幸福にうまくいった、という印象。

話は、童貞を捨てたくて躍起になっている学生たちが、

性的な欲望と妄想に支配されて暴走をくりかえすが、

幻想の女体ではなくて、ある特定の人格をもつ女性に

ちゃんとした恋愛感情をいだく、

というパターンのチェリーボーイもの。

別段変わったところのないお話なのですが、

その素晴らしさは、キャラクターのひとりひとり、

それこそ登場人物の父母にまで、

温かい愛情をもってえがかれていること。

描き分けが上手いというのでも、

さりげない、各々の個性の出し方に、センスや才能が感じられる

というのでもなく、

バカな、

醜悪な、

グズでクズな、

そんな人びとに対してでさえ、

温かく、かわいらしい、いとおしいものとして見守り、

許容してゆく視線の温度。

それこそがこのシリーズ最大の美点だと思っています。

具体的でない話で申し訳ないんですが。

で、完結のあとをうけ、しつこく出た番外編のような位置付けの、

『バンド合宿』。

前シリーズでも重要な舞台となった、

ブラスバンドの夏合宿が今回の主要舞台。

正直、美しく3作で終わって欲しかった、

んですが、作られてリリースされれば、

いそいそと観ることになります。

今回の主役は、シリーズ最強馬鹿、暴走王スティフラー、の弟。

再登場するのは、前作までの主人公である

ジムのお父さん(ユージン・レヴィ)と、クリス・オーウェン。

お父さんの、生真面目な“若者への理解っぷり”が、

相変わらずおかしいです。

主人公が童貞でもなんでもなく、

体育会系バカだから、

可笑しくはあってもなかなか温かい気持ちには

なりづらいところがあります。

〈アメリカン・パイ〉というには、少々苦しい感じ。

しかし、この手の青春ラブコメ映画群のなかでは、

悪くない出来だと思います。

ヒロインがブスっぽい、

優勝を争うブラスバンド合戦がヘタでヒヤヒヤもん、

といった欠点は、

“ヌルさも味のうち”に含まれるという、

この(実は)巨大なジャンルにおいては、

肯定的にとっともよいものでしょう。

欠点をあげつらう悪口も、

温かい応援に転化してしまう、恐るべきジャンルなのです。

『アメリカン・パイinバンド合宿』
(2005年、アメリカ)
監督 スティーヴ・ラッシュ
出演 ユージン・レヴィ、アリエル・ケベル、ダッド・ヒルゲンブリンク

theme : 映画
genre : 映画

中川翔子の新連載

20060324004819
(『映画秘宝』のつづき)

ついに『映画秘宝』で
中川翔子さんの連載がはじまりましたね!!

まあ何度も『秘宝』には登場していましたし、
いままで連載もってなかったのが不思議なくらいのフィットした組み合わせ。
『ヤングアニマル』とかで頑張っている中川翔子さんは何か違う気がしましたもの。。

『ドラゴン怒りの鉄拳』の魅力を尋ねられて、
〈8連続キックと、道場のシーン〉
とサラリとこたえるカッコ良さ、変なひと。

僕が〈ブログ〉というものがどんなものかもよく分からないというか何も知らない時に、初めて読んだのが『しょこたんぶろぐ』。
デビューが中川翔子さんのものを読んだのが最初ということで、いわば先達です。

ところで、
ごく最近のオッサン週刊誌かなんかで、〈ブログ女王は誰だ?〉みたいな小特集のようなものがあって、アクセス件数ではトップだからと中川翔子さんが女王に認定されるかと思いきや、“なにがかいてあるのかサッパリわからない、相当特殊な嗜好があったり彼女について勉強したりしてないと一般人には解読出来ない”という旨の意見で、結局眞鍋さんに落ち着く、
という結果(というか記事の書き手の結論)で、
女子高生の最新の流行り言葉とかは必死に解読したがるくせに、
相変わらずオタクは低くみたがる、
バカオヤジ、と思う。

theme : 雑誌(既刊~新創刊)
genre : 本・雑誌

『映画秘宝』5月号

20060323234235
出ました最新号!!
創刊号から買って買って買い続けて、いまだに買ってます。
正直、映画の趣味は全然あわないんですが、

女子供ウケなんか知るか!!!!
政治的配慮だの大人の事情だの、クソクラエ!!!!

という軸のブレないっぷりに男気(?)を感じます。

別に好きでもない新作映画に無難な記事書いて、
関係者にインタビューとって、
批評家に批評記事頼んで、
という熱のない大多数の映画雑誌群とちがい、

“パッション”

がある。
熱くなれるものを熱く語るオトナがいる。
素敵だと思います。

読むところいっぱいあってなかなか読み終わりません!!

‥今号を本屋で見つけたときの背表紙に、久々インパクト。

〈カラテと童貞!  カラテと童貞!〉
一時期クオリティの下がっていた背表紙のコピー、
今号は素晴らしいと思いました。

theme : 雑誌(既刊~新創刊)
genre : 本・雑誌

『本の雑誌』4月号

20060323150618

中学生のとき、
隔月刊時代から、買っている『本の雑誌』です。

少年マンガ誌を除けば、
自分史のなかで最長の購読期間をもつ、雑誌。

いろんな本を教わったし、
違う、いろいろな考え方にも遭遇した、
ひとつの、他者性との関わりの自然な道標のひとつとして歩んできました。

椎名誠一派は未だに健在でみなさん連載されていますが、新発行人になっての紙面にもいいかげん慣れてきて、世代交代が無事に済んだことを思わせます。

文芸誌的書評へのカウンターカルチャー的側面のあった『本の雑誌』のスタンスも、いまやスタンダードとなり批評的ポジションとはいい難い。存在意義、難しいところにいるという気がします。

気になったのは、今号で椎名誠が以下のように書いていたこと。

〈最近の「本の雑誌」の文体が気になる。〉〈何かあまりにもクセがありすぎる文章が多く、読んでいられないページにおめにかかる。〉〈もっと正確に普通の文体で書いていっていいのではないか。特に本誌のように本についての感想や論評を扱う雑誌は文章の基本をちゃんと押さえてから崩していかないとただのガキ雑誌のような内容になってしまう。〉

って、
いったいどこの誰が言っているのかと、
ハッとして嫌なかんじに支配されました。

それ、
さんざん、
若い当時、自分が言われたことじゃないの?

自分が老いたらそのまま下の世代に言うの?

そもそも超・長期連載の
鏡明「連続的SF話」
が最も普通じゃないクセがありすぎる文体では?
(鏡明の文章、個人的には好きです。)
と腑に落ちない、納得いかない。

自分は棚にあげて、
老いてから、そういうこと言うのは、

かなしい。

theme : 雑誌(既刊~新創刊)
genre : 本・雑誌

『クエスチョン』(2)フルモーション①



‥前項で触れたポイント(オシャレさと、エロさ)も含めて、
〈フルモーション〉のオススメだと思う根拠を述べたいと思います。

まず、AVがある。
もちろん、AVにも意欲作も傑作もあるだろう。しかし、根本的に、AVは〈ヌケる〉ことを商品価値としたジャンルであって、その他の要素は副次的なものにすぎない。

次に、ピンク映画がある。
少なくとも現在のピンク映画の作り手側にとって、エロは製作が可能となり流通にのるための口実であって、ここでは〈映画〉であることが主幹で、その他の要素が副次的なものとして位置する。

すごく大ざっぱにくくっていますから、例外があるのは承知の上ですが、
つまりは、

ちょっとエロっぽい要素のある映画がみたいけど、

(ピンク映画は、“ピンク”とは名ばかりで、全然エロくないし、そもそもビンボーくさかったりで、どちらかというとエロティックな気持ちはかえって減退する場合が多いから、)

(AVは、殺伐として即物的で、なにかある種のロマンを求めて鑑賞の時間をもつ、というよりは、パッと言ってしまえば、ドラマなどどうでもよく、抜きどころを求めてサーチするという、ビデオで映画やドラマを見るような気持ちの延長上で観るものとはいい難いから、)

で、こころの流れとして、
映画をビデオで観よう。
→興味あるジャンルがよい。
→(美しい)女性という存在が好きで、じっと見つめていたいものだ。
ということで、行き着くのはエロ要素のあるVシネということになります。

しかし、このエロVシネも、
他ジャンルと同様、当たり外れは激しく、

話も演技も演出もしょーもないけど、明るい。
というものと、

話も演技も演出もまともだけど、暗い。

というものに大部分が分類されて、
どうもこう、
女性に対するムーディーな、
切なくも、体も求める焦燥感
にみあうような〈映画〉の絶対数が、少なかった。

これらを受けての、
〈フルモーション〉レーベルの優れた点は、
○明るくもあり、淫靡な影もあり。
○使用に耐えうるくらいエロいが、物語に根付いており。
○〈映画〉であると同時に、気軽なエロでもある。
○日本・エロ・Vシネ、が連想させる、ダサさ&辛気くささがない、いわゆる映像美。
○女優の質が高い。
○新作を観るという、新たな世界観に入り込まなければならない億劫さを、登場人物がチェーン状に連鎖してゆく連作的な方式により、軽減した。
○“夫婦の性”という、地味で暗くなりがちなテーマを、突飛な設定を導入することによって、突き抜けた明るさを獲得すると同時に、普遍性を描きうる。

‥といったところでしょうか。

ようやく『クエスチョン』に戻っていえば、
〈突飛〉なガジェットとして、「クイズ」と「性交渉なし契約を結んだ若い夫婦(←愛し合っては、いる)」が選ばれ、
触れるか触れないかというSMプレイ的関係が、クイズという〈言葉〉によって、少しずつ、静かに浸食されてゆく淫猥な物語となった。

〈クイズ〉というガジェットは、
正直、性的モチーフとして不十分で、幾分物語を格好だけの作り物めいたものに見せてしまっていると思います。
しかし、徐々にクイズを淫語による羞恥プレイに移行させて、なんとか形ができている。

ほかにも関わりをもつ登場人物がいるとはいえ、
ほぼ全編夫婦ふたりだけの印象、
こもった、
ささやくような、
水元ゆうなの声が耳に響きつづける、
日常のように、
静かに、
愛ゆえの、
譲歩。

雨の休日に、ふたりだけで、ゆっくりゆっくりと、長い時間をいっしょに過ごすように、
静かに生きて、
譲歩しあう物語。
だから性的シーンは愛による契約の変更をしめす、
必然的で、官能的な場面となる、
と思う。

(水元ゆうなについて言うの忘れてました。
2作目の『マグマのごとく』について、の項で黒沢愛といっしょに触れます。)

theme : 日本映画
genre : 映画

『超“異人”伝』

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『プロレス・格闘技 超“異人”伝 リングの外でもスゴい人々』
を購入しました!

なんと、
菊池成孔vs吉田豪
の初対談!!!

というだけで思わず買ってしまおうとおもえます。

最近のプロレス・格闘技のムック本、
どうかと思うものが多いですからね、

○スーパーパイザーに吉田豪、

○洋泉社から出てる(『世紀の大凡戦!』)、

というだけでも、じゅうぶん信頼に値すると思います。

他、佐山、船木、堀辺師範、大槻ケンヂ、大森、西村、I編集長ら、多くの錚々たるメンバーへのインタビューからコラム記事から、
プロレス・格闘技の一部の人々の、さまざまなトンデモっぷりを浮き彫りにする趣向。

‥まだ読んでないので、
これからちびちび読みます^^

theme : オススメの本の紹介
genre : 本・雑誌

大好きな『ブルークラッシュ』



大好きな映画、

『ブルークラッシュ』

がテレビ放映されます!!
ノーカットではないようですが、しょうがないです!
(今日(22日)の深夜(正確には23日の未明)、2時40分ごろから日本テレビ系列で放映予定。)

ハワイの海を舞台に、
サーフィンに青春をかける女の子の、
恋と友情。
というなんの変哲もない映画なんですが。

女の子は波によって
危険な目にあってから、
恐怖心が拭い去れない。

のに、
スゲエーーー波が容赦なく襲いかかる!!!!
その恐怖心を克服しなければならない大事な大会。

果たして彼女は高波を制し、
恐怖心を制し、
ライバルたちを制することが出きるのか?

というようなお話ですが、
彼女の恐怖心を知っているだけに、
迫力満点で襲ってくる凶器のような巨大な水!!!
にともにおののく。

そして、あるひとから手を差し伸べられるシーンに、
ジーンとして、
涙が出てきます。少なくとも僕は。

損得とは無縁の、
ひとの優しさ。
見守ってくれている人達が
いるということ。

邪念のない、
善意という名の、
愛情。

『ブルークラッシュ』
(2002年、アメリカ)
監督 ジョン・ストックウェル
出演 ケイト・ボスワース

theme : 映画
genre : 映画

『クエスチョン』(1)フルモーション①

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ちゃんと、エロい。
「フルモーション」レーベル、
『クエスチョン』。

ある新婚夫婦があった。
藤田浩と、水元ゆうな。
ふたりの共通の趣味はクイズらしい。
クイズを出し、答えることが、二人のコミュニケーション。

婚姻関係を契約する際、
二人の間には、
決して性的に触れあわないという取り決めがあった‥

体に触れあわない異常な新婚夫婦の関係にひびが入った果てに、妻は言った。

「クイズだして。
こたえられなかったら
すこしずつなら
していい。」‥。

フルモーションレーベルの記念すべき一作目です。

このレーベルの際立った大きな特徴は以下の通りです。

①ある夫婦の、
特異な性的関係や性的嗜好を描く。

②前作の登場人物の一部が次作に再登場する。
その連鎖が次作、次作とつづいてゆく。

③すべての作品の、製作・原案・脚本を、
永森裕二という人物が担当している。

とりあえずの大きな共通点というか、成立ルールは以上のようなものです。
その他の共通点や差異はおいおい、みていくとして、

第一作の監督は亀井亨。
エロVシネでキャリアをもつ監督で、
『サービス残業の女 制服陵辱』(2001)
『愛恥母』(2002)
『新人ツアーコンダクター亜弥』(2003)
の監督などで活躍したあと、本レーベルのトップバッターに起用される。
永森裕二という人物について詳しくは知らないのですが、連作『飼育の部屋』シリーズに関わり(立ち上げ、ブレイクさせた中心人物なのでは?)、「フルモーション」のプレゼンテーションでも力を発揮していることから、かなりなやり手のうえ、映画に造詣も深い、異才のひととみた。そのキャリアの過程で接した亀井監督に白羽の矢をたてた、のかと想像してみる。
もうひとつ、

④監督は、2本連続で撮ったら交代。

という、
どこまで厳密なシステムなのかわかりませんが、06年3月現在まで維持されている法則です。
とにかく、まずこの亀井監督も
第一作『クエスチョン』、
第二作『マグマのごとく』、
と2本続けて監督しています。

『クエスチョン』でまず眼につくのは、
そのオシャレさ。
洗練されたオープニングクレジットに、オフの抑えた声がかぶる、 しりとりを交わす、男女の。
(この、ある種ガンバッテルおしゃれさは、このシリーズのひとつの重要ポイント。のちのち触れます。)

困惑しながらも、
意を決して、
夫の物に服の布地ごしに初めて触れる水元ゆうな、
微かな、ざらざらした音をたてて。
すごくエロ。
しかもちゃんと物語であり、
映画であるところははずしていない。
(これも重要ポイント。以下同文)

‥長くなってきてしまったので以下別項へ‥


theme : 日本映画
genre : 映画

『キネマ旬報』4月上旬号

『キネ旬』、4月上旬号をパラパラ読むと、

去年でた映画関連本の総括というか、
ベストテンをささやかに発表していました。

細かいことは現物を参照していただくとして、
2位に、

荒井晴彦『争議あり』

が選出されていました。

これで(これのささやかな影響で)、
少しでも多く『争議あり』が売れてくれるといいなー。
と願ってます。

しかし、2位って、

もしかして操作してないかな?キネ旬のことだから。
と疑う。
(思想的/姿勢的に)競合する映画雑誌『映芸』の編集長の本が1位だったらシャレにならないですからね。。

theme : 雑誌(既刊~新創刊)
genre : 本・雑誌

インパルスがきた

たった今、

ラストオーダー間際に、

インパルスの堤下さんが来店。

後輩らしきひとらと、4人連れ。
現在、スープパスタを召し上がっておられます。

それだけです。

theme : 雑記
genre : 日記

東野圭吾を忘れる

東野圭吾『容疑者Xの献身』を
ようやく読み出し、
読みおえたのは、
『このミス』一位も直木賞も一段落してからです。

この、いまさら読むあたり、
自分の東野圭吾への関心の低さを物語っているようですが、‥

いや、いつも面白く読ませていただいてます。全作品とはいきませんが、なるべく、だいたいはフォローしていってるつもりです。
『学生街の殺人』をハードカバーで買ってからだから、
もう20年近い付き合いになるわけです。
つかずはなれず‥。

いや、『容疑者Xの献身』も、じゅうぶん以上に面白かったし、だまされたり、関心したり、タイツクせずに読みました。なんか、印象批評で申し訳ないんですが‥。

‥どうも口ごもるのは、どう言ったら悪口みたいにならないですむかなと思っているからなんですが、
それというのも、東野圭吾さんはいいひとみたいだから、性格のいいひとの何かをあげつらう恐れがあることをいうのは気が引けるのですが、でもまあ、極私的なことに行き着くといえなくもない。

要は、
読んでも忘れてしまうのです。

評判のいい、ドラマ化された『白夜行』、みました。

出だしで、こんな話だったかー、と思い、
でもまあ、みているうちに思い出すかなー、
とみつづけて、結局、カケラも思い出せない。。

思い出せたのは、

内面描写をしない、という形式だったことと、
悲しい物語

という、ものすごく表面的なうえに、読んでなくても言えることだけ。
雰囲気さえ思い出せない‥。
自分は読む意味ない(資格がない)!!とも思ってしまいます。

『私が彼を殺した』や『どちらかが彼女を殺した』にしても、形式以外なにも覚えていないし、
『片想い』や『眠りの森』など、
“読んだことあった”
という記憶を所有しているのみです。

『容疑者Xの献身』について、
今のところ記憶は確かなのですが、

いつか、消えてゆくのでしょうか‥‥

theme : 推理小説・ミステリー
genre : 本・雑誌

闇打つ心臓、新チラシ(3.21)

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『闇打つ心臓』の、
新しいチラシです。

システム手帳くらいの 小さなサイズで、
二つ折りになった表の闇の裏から内藤さんらがひょっこり顔を出しています。

後述の、イベント情報や著名人のコメントなどは、
公式サイトとかそういうものを見れば分かるし読めることなのでしょうが、
そういうことでなく、

紙なのが、いい。

なくしちゃったり、
折れてガッカリしたりするのも、
おもむきがあると思います。

○コメント、ソウソウタルメンバー!
保坂和志、
本谷有希子、
黒沢清、
内田春菊、
やまだないと、などなど

○8㎜版『闇打つ心臓』を含む80年代の名作インディーズ一挙上映!
のオールナイト、4月1日23時半からシネ・アミューズにて。平成版への理解をより深めたいかたは観たらいいかも。
盛り上がって、
少しでもヒットしたらいいですねー。

theme : 映画情報
genre : 映画

『デーモンラヴァー』

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あわただしい、不安を煽る空気のなか、会社の利権に関する抗争が静かに、素早く勃発する。
といっても、スタイリッシュな映像美と、エロアニメとAVが文化の中心であるかのような日本像‥ひいては世界像の描出がそれに加わって、結局キモがはっきりしない感があるから、ノれる要素を見いだせず、ツッコミに専念することになる。いわば、ある種の三池崇史作品の観賞方式(『漂流街』とか)。

アサイヤス監督はヒイキの監督さんですが、『イルマ・ヴェップ』といい、これといい、なんとも挨拶に困る作品。すごくカッコ良くて決まっているけど、そのタッチとみあわないコダワリ、マギー・チャンのキャット・ウーマン姿にフェチったり(『イルマ‥』)、あらゆるエロ映像にしっかりこだわったりすることのアンバランスが、面白いかというとそうでもなく、つまらなくもない。変な映画。でもなんか好き。
エロアニメのクオリティは、本格的。
題材の採用とその描写は、
さまざまなエロメディアへの、社会批評を狙ってのものというよりは、
そういうものが好きだという、単に作り手の嗜好の問題かも、と思う。

ラストシーンのヒロインのいでたちに、
やっぱりな!!と誰もがおもうでしょう、
よっぽど好きなんだ、そういうのが、と。

『デーモンラヴァー』
(2002年、フランス)
監督 オリヴィエ・アサイヤス
出演 コニー・ニールセン クロエ・セヴィニー ジーナ・ガーション 大森南朋

theme : 映画
genre : 映画

新宿マイシティ

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〈新宿ステイション!!
ステイション!!
ステイション!!〉

といえば、金井勝監督『時が乱吹く』の1シーンですが、
その新宿のステーション・ビルといえば、東口では「新宿マイシティ」です。
そのマイシティが、
4月1日から「ルミネエスト」として新たにスタートするそうです。

新宿と関わりないひとにはどうでもいい話題でしょうが、
長年“マイシティ”として、マイシティと親しんだものとして、
寂しい気持ちはあります。

それはそれとして
こころ残りなのが、
あの、朝、オープン時に流れる変な曲が聴けなくなることです。

♪君はマイシティ・ムービースター~

とか妙な歌詞のアレです。アレっていっても知らないし関係ない‥ってひとには申し訳ないのですが、
かつて、アレが流れる時間に、
いつもあのビルを通る日々があったので。。

まえにマイシティでバイトしていた、
というひとがいたので、その歌のことをきいてみました。

◎あの歌は、
田中星児さんという歌手が歌っているということ。

◎ベテランの従業員なら、
フルコーラス暗記していて歌えるひともいる、ということ。
〈サンパーク音頭〉(「新宿サンパーク」のテーマ曲)と、
“気になる度”は同じくらいの程度なんですが、
いざ、もう聴けない、とおもうと、
知りたい!!ちゃんと聴きたい!!と思う。

どこかでCDとかで売ってないのかなー?

theme : 気になるミュージック
genre : 音楽

『爆撃機の眼』

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1.

アップリンクXは、渋谷のはずれ、
Bunkamuraよりずっと奥、
渋谷駅前周辺の、特有な磁場というか、雰囲気というか、そういったものがすっかり薄れきった、よくある東京の一市街、ややおしゃれめの、そのうちの一つに過ぎないような街並みにすっかり慣れるころ、八割方暗くなった宵闇のもとに見出せました。
上映会場は一階と書いてあるけれど、妙な建物で、中2階みたいな部分がどうやら一階のよう。
しかしその一階を占めているのはどうみてもおしゃれめな飲食店で、あとは細い殺風景な廊下のさきにトイレと事務所部分があるだけにしか見えません。
そのうち従業員らしき女性が現れ、何か観に来たのかという旨のことをきかれ、18時からの『爆撃機の眼』を観にきたことを告げると、飲食店のなかに入って右手にあるカウンターに案内される。どうやらそこが受付らしく、長いおおきなカウンターがあってその上には数多くのチラシ類が雑然と汚らしく置かれているのに、なんか洗練された置かれ方に見えるのは場のオシャレ雰囲気の力か。カウンターの向こう側の、ヒゲのはやしかたにこだわりを持ってる感じのいかにもなお兄さんとも、全てが同じ方向のイメージを志向して、〈アップリンクなるもの〉を強固にかたちづくっている。



2.

さまざまな音。が聴覚を刺激する。水のしたたる音、蝉の声、あらい呼吸音、ヘッドフォンから漏れきこえてくる音楽、自転車の軽快な走行音、ジュクジュクと何かが腐っているかのような濁った音、飛行するなにものかの爆音、そして鈍い、人体を傷つけ/痛めつける音。
ふたりの女子高生が辿る、雑音と爆音の渦のなかに存在する、水浸しの、湿った、腐敗のはじまっている、澱んだ悪夢のような世界。その世界では、水分を介してしか人々は関係を持ち得ない。雫(山岸彩子)は片思いする相手・水泳部の三雄に運動後水分の入った容器を渡すことによって、接近することをひとまず許される。しかし水分を介しての密接な関係性は、水泳部のコーチと三雄とのほうが、より巨大な容量の水分で毎日つながっていたのだ。コーチは濡れた体の三雄を愛撫し、雫から三雄への貢ぎ物である水分を捨て、己の水分を与える。雫は恋に敗れる。雫にキスされた三雄の唇から、汚いものを吐き出すかのように唾が吐かれる。水分の交換=交流は拒まれたのだ。
密接につながっていた筈の雫が三雄にうつつをぬかし、自分と疎遠になってゆくのを我慢出来ないもうひとりの女子高生・時子(河井青葉)は、三雄を襲撃する、鈍器で倒したあと、ペットボトルの水分で三雄を制圧する。この件により時子と雫の関係は絶望的に悪化する。三雄と水分を介して関係を持つことが出来ない雫を後目に、暴力的/強姦的に時子が水分を介して三雄と関係してしまい、雫と三雄との関係の不可能性を露わにしてしまったのだから。
季節は夏。
ひとり、周囲から、世界から孤立する時子。
水浸しのこの世界のルールを飛び越えた無法者に与えられる水分はなく、夏のつよいつよい日差しから、水分を失い、死に瀕している。生き延びうる場所は、暗闇。生命たる水分をを奪ってゆく、つよい日差しから逃れうる暗闇。そして、時子は、とざされた暗い場所でひとりで生産出来る水分を反芻しつつ育ててゆく。
すなわち自ら腐ってゆくこと。腐敗し、液状となってゆくこと。
固い頭蓋骨のなか、ぎっしりと人間の魂の中枢が詰まっているはずだった頭蓋骨の中は徐々に粘液状に移り変わり、腐敗してゆくときの活発な音をたてる。人格と呼びうる筈のものは、関係=交通の手段としての水分にすり替わる。こうして急斜面を滑り落ちるようにして〈私〉を滅ぼしてゆく時子は、女性の眼を潰したうえに絞殺する連続殺人鬼の手におち、その瞳を奪われることになる。
瞳を奪われることは、水分が支配する世界の関係=交通から疎外された孤独な肉体が、あつい日差しによって水分を奪われるのを防ぐ最期の砦である暗闇と、等価であるから、ラストシーン、殺人鬼に拉致されたまま雫のすぐ脇をすれ違っても、雫と時子の間には感情の交流どころか、相手を互いに認識することさえ、もう、かなわない。交通は永遠に遮断されたのだ。

音をもつ、映像作品としての〈映画〉の本質が、
関係=交通であるということ。
カットと次にくるカットとの関係。観客席とスクリーン上のものとの関係。音と、視線を介して、初めて〈作品〉として現前する。
『爆撃機の眼』では、〈音〉と〈視線〉は、世界と関わるための暴力的な装置として機能する。負の、憎悪の感情をまとった、原理/原則/根源的な問いかけのような映画、
だから
この映画をみて感じられるのは、さまざまな雑音、爆音への不快なささくれ立った不安感、そして〈視線〉のやりとりに込められた、

愛、

憎悪。

じっさいに、雫と時子の関係が変容していく過程の節々で、片方が片方を愛に焦がれるように見つめたり、自分の都合の良いように動かない相手をサッと睨みつける、その負の目配せ、チラ見は、不安定な画面のはしのほうから、素早く、行われる、その憎悪や愛の〈視線〉による〈攻撃〉の速度が、アクションしており、最も活気づく瞬間だと思う。憎悪の視線を凄い速さでおくる瞬間の河井青葉は、美しくて、切ない。『ガールフレンド』の彼女よりかがやいていた瞬間。



3.

さて、〈アップリンク〉なるものと、この映画は戦い得たのでしょうか。

会場に訪れた若い男女は、いかにもモード系だとかサブカル系だとか、この手の映画を観にくるだろうというイメージにおとなしく収まっている。
映画『爆撃機の眼』における、過度な意味の読みとりを強いるような露骨なメタファ、程よく過激で背徳的な物語や、残忍で不快な描写は、残念ながらそんな客層と相容れてしまっていたと思う。
バタイユがどうとか安易に言わせてしまう危うさ。
アヴァンギャルド/サブカル/アンダーグラウンドといった便利な単語に回収されうる危険性。
新人としてもっと行儀の悪い悪意が見たかった、と思うのは、自分がわがままなだけ。あまりお客さん、入っていないとしても、興行価値、あった。


4.

仕事が休みもらえた日、最終日になんとか間に合った。
客入りは小さなコヤに5割弱という感じで、
熱気ムンムンというわけにはいかない。
客層はほぼ全員20歳から25歳くらい、
男女比6:4。思ったより女性の比率が高い。
30を越えた自分はもしかしたら最年長の観客なのかとショックをうける。(『マリ・クレール』で読んだ、蓮實重彦が『ファンシイダンス』観にいったときの文章を思い出す。)

しかし、ずっと上っぽいひとがいた。
塩田時敏。
キネ旬のベストテン選考委員を外された(ヒドい話、)、
映画評論家の塩田時敏さんだ。
もうずいぶん行っていないヨコハマ映画祭でみて以来で、
すごく、老けていた。

舞台挨拶は河井青葉と山岸彩子の両ヒロインと、八坂俊行監督。
八坂監督、中性的で、犯罪的なオーラ。「もう(人前でこの映画が)かかる機会はもう二度とないでしょうから‥」というふうに自虐っていた。

ちょうど中日の一週間前、上映後トークショーに“河井青葉ラブ”の、評論家阿部嘉昭が参加しているけれど、やはりその日は河井青葉もトークショーに出ている。(河井青葉も来るならトークショー出る!来ないなら出てあげない!)という交渉を想像。

上映後、ロビーに出たら、
女優さんは観客ひとりひとりに笑顔で来場のお礼を言い、
監督さんは
〈爆撃機の眼シール〉
を、手渡しでくれました。
2枚も。

帰りに古本屋に寄ると、
塩田さんが映画本のコーナーにいました。

でもなにも買わずに帰っていかれました。

theme : 邦画
genre : 映画

沖縄についての疑問点

以前から、
映画やドラマに出てくる
〈沖縄〉について、
あれ?ほんとうはどうなの?
と気になっている事がありました。

①沖縄のひとって、本当に“キジムナー”とか、そういう精霊的なものを自然に当たり前のように信じているの?

②出てくる主役の家って、
説明するのも面倒くさいですが、パーツの大きい石垣でぐるりと囲われていて、家屋の正面に庭を隔てて門というか切れ目がある。庭に面した部分は全て開放的に開け放ってあって、‥
‥って要するにいつも見かけるあんな感じの家。
全部同じ家でロケしてるの?ってくらいいつも似てる家。
本当にみんなあんなところに住んでいるの?

という2点。

で、沖縄出身のアルバイトにきいてみました。よってサンプル数は1。

①友だちに、キジムナー見たってゆうひといる。自分は幽霊とかはいるとおもう。キジムナーも目撃できたら信じる。

②普通のひとはああいう家にあんまり住んでいない。昔っからの、“おじいちゃんおばあちゃんのウチ”、っていう位置づけ、おじいちゃんおばあちゃんにはああいう所住んでいるひともいる。
文化財的に保護されてるらしい。ということは、数が多くはない、ということ。

‥という回答でした。
分かったような、相変わらず分からないような‥

theme : 沖縄
genre : 地域情報

今日、ダンス・イン・シネマ

20060319025838

明日、というか今日(3月19日)、

『愛の世紀』&『アワーミュージック』の二本立てプラス蓮實×青山対談、
に行ったらいいとか行きたいとか言ったりしていたんですが、
この、
ダンス・イン・シネマ2006
ってイベントも、すごいですね!!

10:40~『未来への迷宮』
13:00~『西鶴一代女』
16:00~『不安』
18:30~『言葉とユートピア』

『未来への迷宮』はアブラム・ロームの劇場未公開作!!!
『不安』と『言葉とユートピア』もマノエル・デ・オリヴェイラの劇場未公開作!!!!

オリベホールっていう、
ラピロス六本木の8階にあるホールで上映。
当日1500円(入替制)だそうです。

行けるひとはいいなあ‥

theme : 映画情報
genre : 映画

フルモーションに注目!

20060319005544

“夫婦の性に特化した官能ロマン”
という売りの
「フルモーション」
というレーベルからでているシリーズがなかなか興味深く、面白い試みだと思います。

『クエスチョン』からはじまって、
『マグマのごとく』、
『ウォーターメロン』、
『脱皮ワイフ』そして
『ピーカン夫婦に』至り、
以降もまだまだ『スマイル』
『ニップルズ』とつづいています。

ビデオ屋では高回転、ヒット中のシリーズなので、観たかたも多いかとは思いますが、観ていないかたにお勧めする意味で、
一本か二本ずつ紹介していきたいと思います!

(以下次回)

theme : 日本映画
genre : 映画

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ししらいぞう

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調理師のようなことをやっています。

趣味は立ち読み 格闘技観戦 映画観賞

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