
『俺たちは天使だ!NO ANGEL NO LUCK』
さて、ずっとノータッチだった今年の連ドラ。残しておかないと忘れそうなので、以下に3期9ヶ月ぶん、急ぎ足で記録しておきます。(順番は例によって大した意味なし)
<2009年冬ドラマ>
悒ーバー30』
◆悗△蠅佞譴心饑廖
『赤い糸』
ぁ悒札譴屬3』
ァ愾ゲバ』
Α悒薀屮轡礇奪侫襦
А慄榮も晴れ。異状なし』
─悗ちゃべり』
『キイナ』
『大好き!五つ子』
『メイちゃんの執事』
『ラブレター』
『ヴォイス 命なき者の声』
『歌のおにいさん』
『神の雫』
亜悒螢札奪函
院Q.E.D. 証明終了』
押RESCUE 特別高度救助隊』
<2009年春ドラマ>
BOSS』
◆愬鬚そ奸
『ぼくの妹』
ぁ愿鬚韻爐螢好淵ぅ僉次
ァ慄盻裁判』
Α悒好泪ぅ襦
А悒供Εイズショウ』
─悒粥璽好肇侫譽鵐此
『ゴッドハンド輝』
『アタシんちの男子』
『夜光の階段』
『名探偵の掟』
『Mr.ブレイン』
『LOVE GAME』
『婚カツ!』
<2009年夏ドラマ>
慍兇燭舛賄兄箸! NO ANGEL NO LUCK』
◆惘紊濂伊槓REBOOT』
『ふたつのスピカ』
ぁ悒トメン・夏』
ァ悒屮供次Ε咫璽 崖っぷちのヒーロー』
Α慊覯Α
А惘逎蹈奪』
─悗海禅機
『救命病棟24時』(第4シーズン)
『ダンディ・ダディ』
『メイド刑事』
『恋して悪魔 ヴァンパイア☆ボーイ』
『任侠ヘルパー』
『華麗なるスパイ』
『オルトロスの犬』〇冬→
TBSの昼ドラが40年の歴史の幕を閉じました(最終作は「愛の劇場」が
『大好き!五つ子』、「ひるドラ」が
『おちゃべり』)が、その終わり間際に、
『オーバー30』(CBC最終作)という素敵なドラマに出あえたことは、悲しいなかにも幸せなことでした。
30を過ぎた女の幸せとは?という題材を、主婦代表のアイコさん/島崎和歌子と、キャリアウーマン代表のミカさん/遊井亮子との対比で描く、という取り立てて新味のない企画なのですが、非・プログラムピクチャー的作品が一発一発が勝負作(商品価値がはっきりとした短絡的快楽の供給源)とならざるを得ないのとは異なり、企画意図や主題にドラマの語りが縛られずに、普通の日々の、生活でのささやかな感情の移ろいやすれ違いを、これといって派手なフックもなく丁寧にのったりくったり描くことが出来るのは、やはり連綿とつづく“枠ありき”な環境に負うところが大きく、そういった「なんということもない描写」が意匠として気張らずに存在を許されるのが、プログラムピクチャー的なものの名残りとしての、テレビの連ドラの大きなアドバンテージだと思います。“冴えてみえるように”とか色気を出したら、
『オーバー30』の優しい味は出ないでしょう。
『三代目のヨメ』などでは、登場人物たちは物語や主題や役柄の配置に奉仕していて窮屈な印象でしたが、
『オーバー30』に登場する人々は、それらに奉仕する以前にまず人と人との関係を生きる「人間」であって、しかしその描かれ方が「自然体ふうリアル」でなく“普通のドラマ”としてなのが素晴らしい。そのドラマの帰結は、「主婦的な生き方の肯定」にも「キャリアウーマン的な輝き方の賛美」にも傾かず、ただ、アイコさんがいて、ミカさんがいる、彼女らやその周囲の人々が、日々生きていくなかで、時に躓き苦しみ、時に幸せに人と繋がるということとしてあらわれる。付属的なキャラとして、図式的配置に埋没してもおかしくないような娘のサクラコ/小池彩夢や息子のケンタ/鏑木海智、別居中の夫・ナオユキ/高知東生が、キャラではなく温かみのある人間として存在していました。
奇抜な映画版に比べて、意外と(?)丁寧でしっとりと恋や学園生活が描かれていたドラマ版
『赤い糸』。そのあんがい肌理のこまかいドラマの推移のなかに度々、唐突に、脈絡なく、凶暴に挿入される「ケータイ小説的」ガジェットの無慈悲さに、来た来た!とワクワク。9話以降、終盤の着地が決まらなかったのが惜しまれますが、破壊的にとっちらかった原作が相当うまくまとめられていると思います。
『ギャルサー』や『ちりとてちん』で一躍ビッグネームとなった藤本有紀の脚本作
『本日も晴れ。異状なし』は、「南の島=善人=癒し」というパターンに則らず、登場する島民は地味〜に器の小さい小人物ばかり、という意地の悪いドラマ。南の島の風景も、“美しく”視聴者に提供しないという徹底した意地悪さで、ただならない才気は感じます。毎回、秋川雅史による主題歌が最悪のタイミングで流れだし、作り手がこのテノール歌手を小バカにしてるんじゃないかという疑念が‥。
〇春→
『BOSS』の良さは、その「軽さ」が、<刑事ドラマ>の歴史性から断絶していることで、『あぶない刑事』にしろ『踊る大捜査線』にしろ『時効警察』にしろ、先行作/歴史へのカウンターとしてその表現が“あえて”形成されていたのでしたが、
『BOSS』の軽さと乾いたスピード感は、それらの作品群がどうしても払拭できなかった「貧乏くささ」をほぼ完全に拭い去ることに成功していると思います。最終2話での「あわや普通の刑事ドラマ?」と心配させた真面目っぽい盛り上げも、見せかけのものとしてスルリと避ける着地が爽やか。
基本的には、そのナルシスティックな俗物臭ゆえに、たいがいの“子役”が嫌いなのですが、
『白い春』での大橋のぞみのあまりの可愛らしさに、我が子を無条件で肯定する気持ちを、捩じ伏せるように理解させられた気がしました。
『ザ・クイズショウ』での大橋のぞみは何とも思わなかったので、
『白い春』というドラマの演出というか表現の素晴らしさゆえだと思っています。
(しかしやっぱりこれみよがしな調子こいた子役はどうもダメで、先日近しい人間に、「最近、やっぱり自分は子役が嫌いだとつくづく思ったよ。
『天地人』で妻夫木くんの子供時代やったヤツとか、
『任侠ヘルパー』で草剪くんに頬っぺたつままれるガキとか、車のCMの“こども店長”とかいうヤツとか‥」と言ったら「全部おんなじ子だよ!!」と指摘された。言われるまで気付かなかった‥)
その
『ザ・クイズショウ』、ドラマ自体は壊滅的に話の整合性がメチャクチャでしたが、その表面的な在り方としての「半バラエティ番組」的なつくりは、ある息吹を感じさせます。物語に「情報バラエティ」部分が埋め込まれずに寒々しく遊離していた
『Mr.ブレイン』や、振り返ってみると四六時中挿入されるキーワードクイズ場面くらいしか印象に残っていない
『魔女裁判』と、作品世界に自閉しない容易な接続性の誇示としての「バラエティ番組的」な仕掛けと空気をもつドラマが台頭(?)してきているんじゃないかと(
『LOVE GAME』は、海外リアリティショウ・パクリ系の、深夜枠バラエティ的?)。次シーズンの
『こち亀』『オトメン』などにもそのような気配はありますが、(これも次シーズンですが)
『華麗なるスパイ』には不思議とそれがなく、閉塞した息苦しささえあるように感じます。
(
『魔女裁判』、フジ土曜深夜枠の、『ライアーゲーム』『ライフ』のあのタッチが帰ってきた!と一瞬喜びましたが、それっぽいのはテイストだけで、べつに面白くはなかった‥。)
そのキャスト&タイトルから期待されるイメージを超絶に裏切り、誰も望むことのない展開へ突き進んでいった
『ぼくの妹』は、一般に迷走した一本と受け取られていると思いますが、そのじつ描写のクオリティは尋常じゃない高いレベルだとおもった。殊に、“生きた”人間の発した言葉に対して、生理的な感情のゆらぎ→それへの反射としての発語、という対話の構築が素晴らしく、そして、ほんの端役にしか見えなかった人物がじんわりと存在感を増してくる微妙な呼吸の妙も油断なりません。
あと
『湯けむりスナイパー』は、第2話は傑作でしたが、シリーズ通して演出が一本調子でちょっと平板でした。一部サブカルのほうの人らが凄いだ傑作だとか言ってましたが、いくらなんでも持ち上げ過ぎでしょう。
『アタシんちの男子』は要するに女版『シスター・プリンセス』みたいなもんで、花男以降の潮流が露骨なとこまできたなという印象。
稲森いずみ主演ということで遠慮してしまい、
『アイシテル〜海容〜』を観逃したのが悔やまれますが、そのうち観ようとは思います。
〇夏→
ワーナーがついにテレビドラマに本気になったか?と観るまえの期待感の強かった
『オルトロスの犬』の、あまりの頭の悪さにもビックリしましたが、トラブルがあったとはいえ
『救命病棟24時』(第4シーズン)のあんまりな弛緩ぶりにはもっとビックリした。
首都圏大災害という大掛かりなカンフル剤を用いた前シーズンに比べて、救命救急の制度的な崩壊というネタがいかにも地味というのもありますが、『医龍』だの『ナースあおい』だの『コード・ブルー』だの、海外ドラマでの『ドクター・ハウス』だのといった様々な趣向をこらし新鮮な視点を提供した医療ドラマ群を通過した視聴者には、
『救命病棟24時』はあまりにアッサリしてみえて、「‥で?」としか思われなかったかも。“チーム”の生気のなさもシリーズ随一。まさかこのシリーズが、面白さで
『ゴッドハンド輝』に負けるとは、いったい誰が予想出来たでしょうか‥。
印象としては今回、進藤センセイや小島センセイは北乃きいや石田卓也が画面に映ると脇役にみえてしまう。もっとも、北乃きいには、いかなる映画やドラマに出てもあらゆる登場場面で主役にみえてしまうという、特異な性質がありますが‥。
『トワイライト〜初恋〜』の露骨な二匹目のドジョウ
『恋して悪魔 ヴァンパイア☆ボーイ』は、中山優馬と桜庭ななみといった新鮮味のあるキャストで、いいかんじの青春感が出そうで出なかったのは、ドラマの中心に加藤ローサの鈍重な存在感がもったりと鎮座していて、感情の“揺らぎ”を疎外したからでしょうか。桜庭ななみは
『ふたつのスピカ』もとても良くて、スウィートパワーらしい清潔感のある女優さん。今年の夏は上記2本と映画『サマーウォーズ』&『東京少女桜庭ななみ』再放送(地上波)と、桜庭ななみ一色だったと記憶。
『ROOKIES』では窮屈そうに安仁屋役を演じていた市原隼人、
『猿ロック』での反射のいい役柄では本領発揮。市原隼人はみっともないくらいチャカチャカした反応に才能がありますね。
『帝王』の塚本高史の演技は心ここにあらずというかんじの、魂の感じられないものでしたが、実話というフックとともに、とっちらかった話の展開の「落ち着かなさ」と程よく調和していた気もします。
すべての台詞、すべての動作に輝きが宿り、隅々まで充実した探偵コメディ
『俺たちは天使だ! NO ANGEL NO LUCK』。スベりそうなギャグすらスベる寸前で演出がすくう確かさ。イケメン集団のパッケージ売りの、他愛ないドラマといえばそうですが、じゃあオッサンがいっぱい出てきて深刻な社会ネタでもやってりゃ良いドラマなのか?とも思う。
この
『俺たちは天使だ!』が今期のベストだったと個人的には思いますが、正直2009年の夏ドラを代表するのは何と言っても
『ブザー・ビート 崖っぷちのヒーロー』でした。“月9”にも本気、“トレンディー・ドラマ”にも本気、“バスケ”というネタ自体も本気で一般に浮上させようというハンパない本気度。故なきプライドや自己イメージと、社会や現実、他人の心は一致しないという案外だいじなことを、カッコつけだけじゃなくちゃんと語ろうとする。その熱気がちゃんとドラマにものっていたとおもう。
一個人としては、北川景子が「リコ!」と呼ばれても、つい相武紗季のことかと反応してしまうし(ついこのあいだまで『絶対彼氏』で「リイコ」と呼ばれていた)、大政絢は山Pじゃなくて溝端淳平の妹(『ハチワンダイバー』)の印象のほうが強いとか、「突然奪うキス」「車を追って走る」等のシーンがパッチワーク的だとか、どうもシャッフル感が邪魔して作品世界に真面目に入っていけずにネタ消費的に接してしまいましたが、それこそがトレンディー・ドラマだとも言えるのかもしれません(適当)。
貫地谷しほりは“批評的に”「トレンディー・ドラマの演技」を構築していて、冴えたひとだとおもった。あと、北川景子は「井森美幸みたいな演技」とウチでは評判が芳しくなかったです。
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theme : テレビドラマ
genre : テレビ・ラジオ